そしてキスからはじまった
朝、窓から漏れる光で目が覚めた。
今日は少し、呼吸が苦しい…
この頃、よくある…
ちゃんと宝物を産むことが出来るの?
予定日まであと3ヶ月…まだ産むわけにはない
出来るだけお腹の中で育てなければ
健康に産まれるように
お腹に手を当てて不安で泣きたくなる気持ちを落ち着かせた。

私はこの子を産んだら死ぬだろう…
夢のあの人は涙を流しながらそう言った
私は過去の私が犯した罪を償う為に生まれてきたと言った。
彼女の話を聞きながら私はお父さんから聞いた伝説の恋人たちの話を思い出した
愛し合う為に何度も生まれ変わるという話…
その女性の方が私?

そんなことを考えてふっと笑った。
そんなはずないか…
紫音には彼女がいる…

でも私が愛されないのは夢の人がいう罰かもしれない
彼の子供を産み、全ての罰を持っていく…そんな存在
来世は愛されるかもしれない…
私はどこまで夢見がちなんだろう

いつの間にか流れた涙を拭って不安な気持ちを奮い立たせてベッドから起き上がった


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