そしてキスからはじまった
紫音side

俺はあの後も何度かジュリアに会いたいとライブハウスに行った。

ジュリアに会うのはそれしかなかったから

この頃やけにまとわりついて来るこの女
鬱陶しい

何度も絡めた腕を振り払ったのに

それでもへこたれない図々しさ

ある意味尊敬するよと呆れていた。

運悪く腕を絡めた俺たちをジュリアに見られてしまったんだ

ずっと女の事を無視していてイヤホンをして音楽を聞いていた

女がジュリアに言った言葉も聞いていなかった。

孝が女に怒鳴る声を聞いて女が何か言ったのだと分かった

女に「何を言ったんだ」問い詰めた

女はビクビクしながら上目遣いに

「ほ、本当こと言っただけだよ・・だってあの子売春した子でしょ。汚れてるって言って何が悪いのよ」逆ギレしてブツブツ文句を言っている。

走り去るジュリアを見て怒りがこみ上げてきた

女を壁に押し付けて

「汚れてる?傷ついている彼女に・・なんてひどいことを・・」

俺は女を殴る代わりに近くの壁をなぐった。

「お前の顔を二度と見たくない。俺達の前から消えてくれ」

と低い声で女に言った。俺は傷ついただろうジュリアの後を追った。

そして
「一緒に暮らしてくれるんだ」と俺を睨みながらひときわ大きな声で言う孝が
ジュリアを抱きしめキスをしていた。

ジュリアはキスを拒まず受け入れてた。

一緒に暮らす?どういうことだ?

ジュリアと孝は付き合っていたのか?

ジュリアも俺の事、好きかもなんて思ってた俺はバカだった。

俺は自分を嘲りながら家に帰った
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