そしてキスからはじまった
孝の気持ちを受け入れようとしているのに気がついたのか孝は私をいろんなところに連れて行ってくれるようになった

パリにもあるという有名なレジャーランド

貧乏な私は行ったことがないけど

初めて行くここはとても楽しかった

ジェットコースター系の乗り物も気持ち悪くなるほどでもなく楽しかった

手を繋いだまま万歳をしてはしゃぐ孝は少し子供っぽく見えた

もっと子供っぽかったのは私・・

絵本の中の世界があって可愛くてポストカードセットを買ってしまった

フランスのお母さんにはがきでも送ろう


久しぶりにピアノが弾きたくなった

ピアノといえばあのライブハウスのピアノしか思い浮かばないけど

紫音は4月から大学生だしもうあそこには来てないだろう

孝にお願いして帰りにライブハウスに連れてきてもらった

事務所に声を掛けると

まだ夕方で営業までは時間があるから弾いていいと従業員の人に言われた

ウキウキしながらピアノの方に行くと誰かがピアノを弾いていた

綺麗な金髪の青い眼をした男の人だった

ちょうど立ち上がった彼が私たちの方を見た

背が高い・・紫音ぐらいかな

いけない・・また紫音の事を考えてしまった

なぜか彼はずっと私を見る

綺麗な青い眼で見つめられると心が見透かされそうで不安な気持ちになる



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