そしてキスからはじまった
いつも寝ていて女がまとわりつくのもほっとくのに

窓の外を眺めてはため息をついたり放課後になるといそいそとどこかに行っていた。

女の子たちの誘いもやんわりと断るようになった。

本命でも出来たのか?この学校にはそんな子はいないだろう

紫音に「何かあったの?」聞いても

「別に何もないけど」ってはぐらかされるし

僕はモデルの仕事が忙しくなって気になりながらも放課後は行動をともにできなかった。

何があったかわかったのは10月頃だっただろうか

夏休み前から紫音にまとわりついていた女の子

断っているのにしつこく付きまとってたな

ここ2週間ぐらい見てなかったけど。

その子が帰りの下駄箱のところで紫音を待っていた。

「紫音・・あの・・ご、ごめんなさい。」

女の子が泣きそうな顔で紫音に話しかけてきた

何をやったんだろう?この子?

紫音は無視している。この子のせい?ここのところ機嫌がすごく悪いのは

「紫音・・あんたまだそのバカ女と付き合ってるのか?」
少し離れたところから声がした。


孝?明らかにイヤミを含んでいる・・仲が良かったはずじゃないのか・・

「あっ、いいところで会った。ジュリアと俺、一緒に暮らすことにしたから
そのバカ女のおかげでジュリアも決心してくれたから感謝しないといけないな。
ありがとうな。バカ女」

そして紫音の事を睨んで帰っていった。

< 92 / 274 >

この作品をシェア

pagetop