そしてキスからはじまった
何も言い返さず固まる紫音に
「紫音?」
まだ甘えた声を出す女の子

「俺に触るな、二度と近寄るな。クソ」と下駄箱を乱暴に叩いた。

凹んだ下駄箱に少し血が付いていた。

「紫音・・血」

僕が慌てて紫音の腕を取ったが振り払われてしまった

紫音は何も言わず歩き出した。僕は初めて見る荒れた紫音が心配で付き添うように一緒に帰った

それから紫音は来るものも拒まずという生活に戻った。

でもあの子だけは寄せ付けなかった。


でも僕たちは3年生

紫音がどんなにやる気がなくても

僕は紫音の近くにいたいために同じ大学を受験しようと思っていた。


紫音はやる気がないから僕がいろんな大学を調べていた。

紫音は一般でもなんでも合格するだろうけど

外国人枠がないと僕は難しいから

僕たちは同じ大学に合格した。

紫音は帰国子女枠、僕は外国人枠だけど


紫音は以前より落ち着いた。

お金を貯めるためにバイトに頑張っている。

沈んだ紫音は見たくないから良かったと思う。

大学に入っても紫音と僕は共に行動することが多く目立っていた。

相変わらず紫音は女の子にまとわりつかれていた。

しつこい子もいてどこで調べたか家にまで押しかけてくる子もいて

さすがの紫音も困っていた。
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