そしてキスからはじまった
4月の半ばまた紫音に変化があった。

明らかに落ち込んでいる。

ボーとして時には何であんなことをと頭を抱えて後悔している

あまりの落ち込みようで僕たちは未成年だけど結局酒の力を借りようと思った

「紫音、今日、少し飲みに行かないか?」

「ああ」

僕は落ち着いた雰囲気のピアノバーに紫音を連れて行った

「いい感じのバーだね。ルイらしいよ。」

そう言ってくれた。

カウンターに座って注文したウイスキーが来た。

僕は一口飲んで、ゆっくりと

「紫音・・すごく落ち込んでいるように思うけどどうしたの?」と聞いた。

「ああ・・俺は最低で本当に嫌気がさしている。久しぶりにジュリアに偶然にあったのに・・初めてジュリアを俺のモノにできると思ったのに・・」

「紫音のモノ?それは彼女とセックスするということ?」

「ああ・・好きで諦めきれない・・孝と一緒に暮らしているのは知ってるけど
理由があると思ったんだ」

「理由?」

「ああ・・うぬぼれかもしれないけど彼女も俺のことを好きだと思っていたのにあの女に言われたからって孝のもとに行くなんて信じられなかったから」

「あの女?」

女が下駄箱での女の子ということ

紫音が好きな子がジュリアということ

紫音が知っているジュリアの事

紫音と孝とジュリアの関係も

この前あった時のことも全て聞いた。

もちろん契約のことも
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