*お向かい彼氏*
「え、修学旅行?…そっか、もうそんな時期か。」
「うん…行きたくない。」
「何で?」
夜の電話。会えない分いつもより大事。
って…え。
ヤバ。光輝には班のこと何にも言ってない。自分の彼女が旅行中ずっと他の男と一緒かもなんて嫌じゃない?
「だっ…だって、光輝に会えないし!!」
「楽しんできなよ。あっという間に学生終わっちゃうよ?」
光輝だってまだ学生なのに。
まぁでも上手くかわせたならいっか。
「まだ忙しいの続きそう?」
「それなんだけど、夏休みに入ったら一回大学おいで。俺の家で会うより時間取れるし、案内してあげるから。」
や…やったぁ!会える!ついでに光輝の友達にも会ってみたいな。
あたしのこと、みんなに伝えてるらしいし…。
「行くっ!夏休み初日に行く!」
がばりと起き上がって電話に飛びつくように言った。だって嬉しいんだもん♪
「ははっ、じゃあレポート終わってないから切る。ごめんな。」
「大丈夫!あたしも早いうちに夏休みの課題やっつけるから。おやすみー。」
一週間前にすでに宿題を出してくれてるのはありがたい。めんどくさいけど、テストですっかりトップ3常連になったあたしにはどれも簡単だった。