*お向かい彼氏*
今日は終業式。形式的には明日からだけど、もう放課後は夏休み始まったみたいなもんだよね。
その証に、みんなもうテンションが高い。
今日は祐希に美空、莉々で修旅のためのお揃いの部屋着を買いに行くことになってる。
莉々と一緒に教室を出ようとした時だった。
「ちょーっと、宮部!こっち!」
「うぇ!?」
思わず品のない声が。普段からそんなもの無いけど。
あたしの飾られたスクバを掴み廊下の隅まで連れて行ったのは、土屋くんだった。
「な…なに?何か用?」
あんたは莉々だけ見てなさいな。
「…あのさ、もうすぐ修学旅行じゃん。」
うん?そうだけど。
ハテナを浮かべてマジな土屋くんの顔を見る。
逃げないから、いい加減スクバを離してくれてもいいかと…。
「頼む!金谷と一緒にいられるようにしてくれ!」
…へ?莉々?