*お向かい彼氏*
「莉々?いつもベタベタしてんじゃん。」
2人の世界を作って。付き合ってんでしょ?
「いや…今回で、告白したくて。」
まだだったの!?
あんなに一緒にいて?!
確かに莉々なら告白されれば言ってきそうだけど…いや、ひかるさんびっくりよ。
「普通は…班行動とか、女子同士男子同士だろ?けど…それじゃアピール出来ないっつーか…。」
恥ずかしそうにゴニョゴニョと床を蹴りながら話す土屋くん。サッカー部部長、しっかりしなよ…。
「元々莉々と行動出来るなんて思ってないし…。さっさと告んなよー。」
あたしなんて一言も交わさず付き合い始めたんだよ!?
「わかってる。だから…宮部が彼氏いるの知ってるけど、修学旅行中はなるべく巧(たくみ)といて!そして俺に協力してくれ!!」
協力!?まぁ2人が付き合ったらあたしも嬉しいけどさ!
「お前の方が恋愛じゃ先輩だし、頼む!」
あぁ……手合わせてこんなに必死に言われちゃ…
「…わかった。あたしが応援する限り絶対成功しなきゃだから!」
「サンキュー!!マジ宮部良いヤツ!!」
はぁ…修学旅行に、目的が出来ただけマシかぁ…。
にしても浅丘くん…
程よい距離を保とう。