*お向かい彼氏*
「なんもされてないって。彰さん、入り口で会って案内してくれたのーっ。」
えへ、と笑って見上げると若干機嫌の悪い光輝の手を握る。
「ご飯食べるんでしょー?」
「…そうだな、行こう。」
強く握り返してくれる手が、ちっちゃいヤキモチを表してるみたいでまた好きが増える。
「俺も「お前は良いからナンパでもしてろ。」ちょっと、俺のイメージ最悪じゃん!」
2人、仲良いなぁー…。…多分だけど。
以前として…て、あれ?
気づけばあたし達の周りには何重にもなった円が。
光輝と彰さんはあーだこーだまだ言い合ってたから、繋いだ手をパッと離してみる。
「なっ、ひかる!?」
勢いよくあたしの方を見る光輝。
そして、あたし達を取り囲む人達に気がついた。