*お向かい彼氏*





さてと…口を開こうとした、のに。





手が離れていたのを良いことに、グッと肩を引き寄せられた。




「ひかるは中3、俺の大事な彼女。告白したのも俺から。



……手出したら、殺る。」







爆弾発言。




びっくりポイント満載で男の人も女の子も騒然となった。





ある人はあたしの年齢に驚愕し



ある人はあたしを見つめる優しい視線に悲鳴をあげ



ある人はあたしを見ていた視線をパッとそらした。







「今の中学生ってどーなってんの!?」




「いやぁぁあ゛!大河くんが…」




「大河ってゲイだと思ってたのに…」








は!?ちょっと!最後のは流せないよ!?





ウケる!光輝がゲイ……。





ニヤっと笑って依然肩を抱く光輝を見ると、かなりイラっと来ているようで無理矢理人の輪をさいて東館に入った。







「ゲイだって。おかま?」




「ひかる、怒るよ。早く飯食べよ。」




「はいはーい。」







彰さんもあんぐりと口を開けて驚いていたのを思い出して、フッと笑みが零れた。









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