*お向かい彼氏*
入場券を買って踏み入れた銀閣寺。
綺麗…だ・け・ど…
「うわー…」
「…っいやぁぁぁあ゛!」
な に こ こ !?
「宮部、落ち着け…ただの蜂だし。そして離してくれ…。」
「無理無理無理無理!蜂だよ!?恐いっ恐すぎるっ!」
思わず隣にいた浅丘くんの腕にしがみつくほど……
何十匹といるハチ。
ブンブン飛んでいて…
虫嫌いなあたしには地獄…
恐怖そのもの。
「早く次行こうよー!!莉々達!先行ってるから!!」
「うちらもうちょっと見てくから~」
「おい、宮部、俺も…」
「一刻も早くここから立ち去るの!!」
この道を…1人で通れると思う!?
グイグイと浅丘くんを引っ張って道を抜ける。
やっと蜂から離れて…
「死ぬかと思った…」
「お前案外大胆だよなー。いや、見た目通りか。」
へっ…!?
あ、腕!!
パッと離すと、あれ…?
「浅丘くん…耳、赤い…」
「るせー!!赤くねぇよ!」
浅丘くんの新しい一面発見。可愛いぞ?