*お向かい彼氏*





広めの10人サイズの部屋に入りそれぞれ荷物を置きだす。



運が良いのか悪いのか、あたしの隣は浅丘くんと祐希。




さっそく土屋くん達が曲検索をしだしてなんやかんやでみんなテンションが高い。




「最初はみんなで歌おーぜー!」




そんな土屋くんの隣を陣取った莉々は合わせて盛り上がってる。





あー…マジで困るんだけど…。




「ちょ…祐希…。」



「なにー?」



マイクを持って流れ出した前奏を聞いている祐希にこっそり話しかける。




浅丘くんに聞かれてませんよーに。






「あたし彼氏出来たから…この状況困る!」





必死に訴えかけて祐希の肩を揺する。





「うわぁ…え、なに、彼氏…?



…………彼氏ぃぃぃっ?!!」





ーキーンッッ



ギャーー!!




「おわっ佐倉っ!……ん?彼氏?」





マイクを持ちながら急に大声をあげた祐希にみんなが耳を痛そうにふさぐ。





「ちょっとっ!祐希ぃー…!」




「なにっひかる彼氏出来たの!?」






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