*お向かい彼氏*





う…

嬉しいっ!



あたしと八田さんは違う…



自分で思ってる以上に気にしてたのかもしれない。




「八田もひかるも、外面(そとづら)が良いとこと服の趣味くらいし似てないよ。んなこと気にしてたの?ひかるはひかるじゃん。」





…うん。そうだよね。




あたしは八田さんみたいに人の彼氏とろうとか思わない…はず。





「ありがと…光輝。」



「うん?俺は思ったこと言っただけだよ。」




そう言ってふっと笑う光輝。




あぁもう…大好き。



いつもいつも、あたしが欲しいコトバをくれる。




「でもあたし、光輝と出会ってからかなり変わったよね?今と前、どっちが好き?」




服も派手になったし、メイクもしてるし



髪型も、雰囲気も全然違うはず…。





「全部好きだよ?俺に追いつこうと背伸びしてるひかるもありのままのひかるも可愛いし。オヤジ趣味なとこも含めて、ね?」




…そこ言いますか光輝さん。




「そんなこと言ったらあたしだって…普段は紳士で格好いいのに、めちゃくちゃ甘えて拗ねてヤキモチ妬いての光輝も好きだよー?」




窓の外の自然を見ながら嫌みたっぷりに言ってやった。



ふっ…ってこれ、車内のやりとりとほぼ一緒じゃん(笑)




「……ムカついた。」






ぼそりと呟いて立ち上がった光輝。




…な、なによー!?




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