*お向かい彼氏*








「…全然、元気そうだね。」




「…あ、バレちゃいました?」







何故か、あたしの他に中山さんまで残った。





みんなが出て行ってしばらくしてあたしの部屋まで来た彼はなんとなくいつもと雰囲気が違うように見える。







暇を持て余してケータイを弄ってるあたしの隣の椅子に座りおもむろにビニール袋を差し出した。



「はい、アイスの差し入れ。」



「…なんで中山さんがここにいるんですか?」







笑顔を崩さないところがなんだか不気味。






「…昨日の話、聞いちゃってさ。ひかるちゃんが残るって知ったからかな。」







え…


八田さんとの話、聞かれてたの⁉








「俺たちって幼なじみなんだ。」





「え、誰が?」







「俺と紗江子。」








ウソ、初耳…。










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