*お向かい彼氏*
「うわっ、汚なっ!それでも年上!?」
「そんなこと喋ってないで手動かせば!?」
「ちょ、ぉわっ!!」
スピードは、結局3勝3敗だった。
ちょっと休憩してアイスを食べて
超真剣に神経衰弱。
馬鹿みたいにマジで勝負して
なんだかあたし達の間には変な仲間意識が芽生えた。
「ひかる、ご飯食べにいこう」
「んー、もちろん爽の奢りだよねっ?」
「…ひかるに払わせたら大河に顔向け出来ないし。」
爽は思ったより爽やかじゃなかった。
かなり大人気ないし、普通の男の子だった!
でもやっぱり優しいし、頭も良い…
旅館の中のレストランに行って色んな話をした。
八田さんと爽の幼い頃の話も聞いちゃった!
「ねぇ、結局爽は八田さんのことが好きなの?」
「…昔は、好きだったよ。」
「じゃあ今は好きじゃないの?」
「…わかんないな。あんまり長いこと片思いしてたからどんな"好き"なのか忘れた。紗江子も俺のことは家族同然にしか思ってない。」