*お向かい彼氏*
「あ、ひかる!こっちこっち。」
「祐希~焼けたね!ハワイ楽しかった?」
もちろん浴衣なんてめんどくさいもの女の子同士では着ない。
ハワイ帰りの祐希は相変わらず可愛い。
既に混んでる駅から会場へ向かう。
「旅行どうだった?」
「温泉良かったよ!お肌つるつるになったー。」
「…なんかあったんだ。」
…げ。
訝し気にあたしを見つめる祐希。なんでばれたの?!
会場について持参したシートに腰を下ろす。
「…ひかる、いつもなら1番に光輝さんの話するもん。なんか笑えてないし。」
…やっぱり、祐希は気づいちゃうか。
帰ってから3日経つけど全然笑えない。
外に出たのも今日が初めて。
「ちゃんと話して…?頼ってくれないのは寂しいよ。」
「…うぅ、祐希~!」
泣きそうになって抱きつく。
よしよしって頭を撫でてくれて、祐希がいてくれて良かったって思った。
旅行中のことを全部話すと、ちょっとスッキリ。
聞いてくれる人がいるっていいな…。