*お向かい彼氏*
「なにそれ。八田さんって人も光輝さんも気に入らない!」
頬を膨らませて言った。
「だいたいひかる、なんでその女の言うこと聞くのよ!彼女はひかるでしょ?遠慮することないじゃん!」
そんなのわかってる。
わかってるけど…
「プライドかな。そんなのであたし達は壊れないって意地張った…。それに八田さんって、悪い人じゃないってわかっちゃったから。」
「なんで。」
「だって恋する女の子だよ。やり方間違っただけで…。なんか、拒否出来なかった。」
あれが恋する女の子の目かなってちょっと疑問は残るけど、
でもどうしてだか、もう彼女が憎めない。
元をたどれば今だって八田さんのせいだけど
不思議…。
「…ひかる達、ちゃんと話さなきゃダメだよ。」
「そうだね…でも光輝に拒否されるのが、すごく怖い。」
夜空に大きな華が咲く。
栓が抜けたようにあたしの目に涙が溢れた。
「綺麗だね…光輝とも、見れるかな…」
「見れるよ。これからもずーっと、2人は一緒にいるの。」
花火を見ながらあたしは光輝を想う。
あなたは今
あたしのことを考えてくれてる?
好きで、好きすぎて苦しいよ。