*お向かい彼氏*
パチパチさせる光輝の目の下には隈が見える。
寝てないの…?
夜、遅くまで明かりついてるもんね。
「引いて…ない…。」
「そ、良かった。」
あぁ、目の前に光輝がいる。
「光輝もコンビニ?アイス買えば良かったな。今日もすっごい暑いね…」
「……。」
なんだか余裕がなくてどうでもいいことをしゃべってしまう。
心臓バクバク。気緩めたら泣きそ…。
ねぇ、なんかしゃべってよ。
最後にちゃんと声聞いておきたい。
そんなに悲しい目で見つめないで…。
「じ、じゃああたし行くから。ちゃんとご飯食べて、よく寝ないと。クーラーで寝冷えしないでね。」
笑って、頑張って笑って通り過ぎようとした。
ーいつかの告白みたいに、そんな手は掴まれる。