*お向かい彼氏*
「…なに…?」
光輝の顔は、悲しそうに歪んでいて。
やめて
やめて…
離れたくなくなる
好きが、膨らんでしまう…
掴まれてる部分があまりにも切ない。
「今、離したらひかる…
どっか行っちゃいそうですげぇ恐い…」
そう言った彼の目には涙が溜まってる。
どうしてー…
そんなこというの?
「あ、あたし…」
「…離したくない。俺、死にそう…ひかるがいないと、何も出来ないんだ。頼むから傍にいてくれよ…!」
ねぇなんで。
あたしが離れて行くこと知らないのに…
あたし、離れるなんて一言を言ってないのに…。
あたしの腕を掴んでる手をそっと握った。
「8月はもう終わるよ、あたしの夏休みは終わるんだよ。だから、あと少しの我慢でしょ…?」
お願いだから
そういうことにしといてよ。
こうやって嘘をつくあたしを
嫌ってー…