*お向かい彼氏*
入学式が終わり教室に行くと、何人かの女のコは既に固まって話してる。
…中学の入学式のときは、簡単に笑顔で入っていけたけどなー…
椅子から立てない。
立とうと思えない。
そんなこんなで初日は終わってしまった。
誰にも話しかけれず、かけられもせず。
こんなんじゃダメじゃん…。
1人で歩く帰り道は中学より距離が長いから寂しく感じる。
1人ってこんなにつらいんだ。
初めてだよ
友達がいなくて困るなんて…。
明日は、
明日こそは話しかけてみよう。
そうしないとここにきた意味ない。
あと5分ほど歩けば家。
そこであたしは
いるはずのない人に話しかけられたー…
「…ひかる?」
嘘でしょ…この声。
なんで、なんでここに…
ゆっくり、振り返ると
信じられないとでもいいたげな顔で
呆然と立っているかつてのクラスメートがいた。
ちょっと…背伸びたのかな。
しばらく無言で見つめ合う。
「ひかる…!!」
こっちへ向かってきて
ぎゅっと、強く包まれた。
「…た、巧…」
「勝手にいなくなんじゃねーよ…!」