*お向かい彼氏*
「ひかるちゃんはタクのこと好きじゃないの?」
奏太くんは、何も知らない。
あたしと巧の関係も
あたしが何故転校してきたかも。
何も聞かないで傍にいてくれるのはすごく助かる。
デザートの果物を分けてあげると奏太くんは嬉しそうに食べた。
「…嫌いじゃないよ。優しいし、格好良いし。」
「ふぅん…タクはそうじゃないと思うけどな。」
聞こえなかったふりをしてあたしもイチゴを食べ終える。
「さ、教室戻ろう。あたしのクラス次移動なんだ。」
巧の好意に気づかないほどあたしは鈍感じゃない。
でも
気持ちを言わない巧にあたしは甘えてる。
光輝以上に好きになれるわけないから。
あたしは巧の気持ちに答えられない。
この関係が壊れてほしくない。