*お向かい彼氏*
その日から、あたしと巧は付き合い始めた。
このことを伝えると奏太くんはとっても喜んでくれた。
ちょっと、複雑。
「…ひかる。」
「巧!なんで!?」
「今日早く終わったからデートでもしようかと思って。」
校門で待っていてくれた巧は色んな人の注目を浴びてて。
自分でデートって言ったのに照れてる。
…可愛い。
「ありがと…どこ行く?」
巧との時間は
穏やかで、安心して。
光輝のことも、出来るだけ考えないでいられる。
「アイス食べたい~!」
「おー、もうそろそろ暑いしな。」
付き合い初めてから、一切学校の話を聞くのはやめた。
ちゃんと、巧を見てあげよう…
そう思えたから。