*お向かい彼氏*





「ひかるがそばにいるだけで幸せだって、頭ではわかってんのに…、無理。耐えられない。」




え、


なんで、あたしは急に押し倒されたんですかね?




え…



えぇぇええええ!!?




「ちょっ、光輝⁉︎」



「ひかる、なんでそんな綺麗になってんの?…わかってるのに、あいつがひかるとって思うと…っ!」




「ひゃあっ⁉︎」




ちゅ、と首筋に口付けられて思わず声を上げる。



な、なんでこんなことになってんのよぉお!





「なんで…今は俺のもんなのに…」





「光輝…」





苦しんでる。


悲しんでる。




そうだよね…



一番傷ついたのは光輝なのかも。




あたしだったら光輝が八田さんとって思うと耐えられない…





光輝が望むなら、



受け入れよう…





抵抗をやめてあたしに、光輝ははっと
したようで…






「あ…ごめん…!」




謝りながらソファからどいた。







「…なんで謝るの?」













「…え?」







顔が火照る。






あぁもう、なんでこんなこと言わなきゃいけないのよ…!







「ちゃんとあたしを求めてよ!嫌な訳ないじゃん!なに遠慮してんの?!」









付き合ってるなら当たり前のことじゃん。






あたし、もう子どもじゃないよ?












< 302 / 331 >

この作品をシェア

pagetop