*お向かい彼氏*
「ちょっと、なにそれ、ひかるに失礼!」
「いーって祐希…。」
「だってあの大河さんだよ!プライド高い宮部さんらしいけど、大河さんの彼女は八田先輩だって聞いたもの!」
巻き髪のゆるふわコーデ女子が言い放った言葉を、もちろんあたしが聞き逃すはずがない。
「 ……八田さんが、光輝の彼女?」
「そうよ!ていうか気安く呼び捨てにしないで!」
いやいやいや、気安くも何もあたし彼女だから!
あたしの光輝だから!!
「八田さんには他に彼氏いるし!」
「いーえ!とにかく宮部さんの嘘なんかに騙されない!」
むっ…ムカつくー‼︎
何様なの、光輝のことなにも知らないくせに!
立ち上がって言い争いをしてたらいつのまにか周りに野次馬がたくさん。
…なんでこんなことに…。
ていうか。
証明すればいい話じゃん。
「今週の金曜、光輝ここに来るから。」
「は…⁉︎」
突然の情報にどよめきが起こる。
あたしと言い合ってた子は眉間にシワを寄せた。
「光輝の姿確認したら、ちゃんと謝ってよね?
…牧田さん。」
「…いいわ、その代わり来なかったら…宮部さんが土下座してよね。」