*お向かい彼氏*
「ホントに、ひかるは!!なんで挑発に乗っちゃうの!」
「ごめーん…だってムカついたんだもん。」
光輝さながらの視線を集めながらあの場を抜け出し近くのカフェへ移動。
授業サボっちゃった。
「光輝さんにも話しときなよ、絶対来てって。」
「わかってるー。来るって言ってたから大丈夫だよ。」
「…にしても牧田さん!ホントひかるを目の敵にしてるよねー!」
ホッ…祐希の怒りがあの性悪女に向いたみたいで一安心。
「なーんであんなに嫌われてんだろ、あたし。」
「そりゃあひかるだから。」
…何よそれ。
あたしはあたしだけどさー。
入学当初から何かとライバル視され続けてる。
結構美人…なんだけど
性格が悪すぎる!
「あれはきっと、今まで挫折を経験したことないタイプだよ。そこになにやっても自分の上をいくひかるが現れたらそりゃムカつくわ。」
そーいうもん?
大学生にもなって…情けない。
「あたしだって、なにやっても勝てない人くらいいるよ…。」
アキ姉とか、八田さんとか。
イライラするのはわかるけど、露骨に嫌われても…。
「とにかく!一回ぎゃふんと言わせてやりな。光輝さんといつもみたいにイチャついときゃ十分でしょ!」
「イチャつ…っ⁉︎なんか祐希、口悪くなった…?」
「だとしたらひかるのせーい。」
済ましてアイスティーを飲む彼女、中学のときはもっと優しかったのになぁ…。
「…ったくひかるは。俺が行く予定無かったらどうするつもりだったんだよ?」
「え、うーん…。有給取らせて呼んでたと思う!」