*お向かい彼氏*
「ふふふ、宮部さん。もうそろそろホントのこと言えば?あれはあたしの見栄でしたーって!」
牧田さんとその仲間はからかうように笑う。
そんなあたしを見て見ぬ振りをする友達…だったはずの子達。
所詮、その程度か…。
あーあ、あたし、
昔から光輝のこと待ってばっかりだな。
でも約束をすっぽかされたのは初めて。
「宮部さーん?」
学食にいる人たちの視線は半分以上か軽蔑の眼差しに感じる。
どうして?
なんで、来てくれないのよ。
せっかく、もう一度
信じようと思ったのに…。
涙が零れないように唇を強く噛む。
負けるなひかる。
光輝は、絶対来てくれるはずだから…。
「いい加減にしてよ、宮部さん!あたしたちも暇じゃないの。
…さっさとそこに跪いて?」
……。
「嫌よ。あたしは何にも嘘なんかついてない…。」
「往生際が悪いのよ!!」
「…宮部、そんなヤツだったのか…」
「まぁ宮部さん…プライド高そうだしね…。」
黙って。
ヒソヒソと陰口のオンパレード。
だったらいっそ堂々と言ってくれた方がマシ…!
「宮部さん!ほら!」
牧田さんの取り巻きに無理矢理腕を引っ張られ、態勢を崩された。
「痛っ…」
膝小僧がジンジンする。
下から睨むように見上げた牧田さんの顔は、憎悪と喜びに満ちていて。
不覚にも、恐怖を感じた。