*お向かい彼氏*
「ほーんと、情けないわね?学業スポーツ男女からの人気。どれをとっても1番だった貴女がこんな姿…!」
聞こえたシャッター音が悔しい。
…このまま土下座させられちゃうのかな。
ひかる、一生の不覚かも。
ホントに…何してんの光輝…
来てよ…約束したじゃん…っ
「ほら、手ついて言いなさいよ!
あたしは嘘つきですって!妄想の世界で大河さんの彼女でしたって!!!」
「……っ!」
「誰が嘘つきだって?」
低くて甘い声が、今日は少し荒い。
……遅すぎるってば…。
「俺の彼女に何してんの?
…ごめんな、遅れて…」
「光輝のバーカ…」
ーポタ…
心の氷が溶けて、一滴が地面に零れていった。