*お向かい彼氏*





「ん~っ、美味しい!」



パスタをくるくるフォークに巻きつけ口に運ぶ。



頼んだカルボナーラはすごく美味しかった。




「そう?良かった。あ、食べる?」




向かいに座る光輝さんが綺麗に巻きついたペペロンチーノをあたしに差し出す。



…これは!


まさかあーん…っ!?



あの小説とかでのカップルの定番の!?




これは逃せない!




少し恥ずかしながらフォークに向かって口を開けた。





するとニヤリと笑ったのは気のせいか。







フォークと同時に綺麗な指先があたしの頬に伸びてきた。




ふわりと触れると目を細めてするするとその指をあごまでずらす。




「ちょ…っな…!?」



「食べるんでしょ?あーん。」







…なんなの!?この体制!



テーブル越しにあごを持ち上げられまるでキスするみたいにパスタを口に入れられた。




「んぅ…っ」





美味しい、けど。




満足そうにあたしを見る光輝さんの行動が恥ずかしくてたまらないっす。




…もしかして



Sなんですか…。





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