*お向かい彼氏*
足元がふらついてる女の人を支えながら改札を通り抜けてこちらに近づいてくる。
「ほら、こっから1人で帰れるでしょ…」
「え~、送ってよぉ、大河くん…っ」
酔ってるように見えるけど…違うよね?
だって光輝さんが他向いてる時、めちゃくちゃ見つめてんじゃん。
「…はぁ。家ど………ひ、ひかるちゃん…?何でココに…。」
……その人誰?
今までナニしてたの?
何で肩に腕、まわしてんの?
聞きたいこと、たくさんあるのに。
恐くて、苦しくて
何にも声が出ないよ…
あたし達の距離はもう3メートル。
「ちょ、ちょっと待って、なんで…!違うよ?この子とは…」
「…………っっ!!」
否定する言葉が
言い訳がましく聞こえて
あたし…もうダメ。