*お向かい彼氏*





あの日から初めての日曜日。




間違っても大河さんに鉢合わせしないように最近はマンションの裏口から外出してた。




今日は休日だからバッチリメイク。




起きたら家族は誰も居なかったからもっと綺麗になるためにとりあえず駅前にでも行こうかな。





自分から全く大河さんの話をしなくなったのにきっと祐希は気づいてる。




わかった上で、何も聞いてこないからそれに甘えるあたし。





早く決着つけなきゃなぁ…。






そんなあたしの心を知ってか知らずか、バレンタインから毎日毎日、着信を知らせるケータイ。






そして


着信拒否も出来ないあたし。








光り続けるケータイをカバンに入れて、家を出た。







…ナニしよっかなぁ。





本屋さん行って美容の本見よう。




元々買いたかったし、うん。決定。






パンプスを鳴らしながら歩くあたしには何の表情も無かった。










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