*お向かい彼氏*
振り向くとモコモコな白いコートを着た美空。
「偶然だねー!うちアクセサリー見に来たんだっ。ひかるは…香水?」
「うん。新しいの欲しくてー。」
会計も終わり、美空とネックレスのコーナーを見る。
ここはお店の半分は香水、残りは様々なアクセサリーが置いてて女の子に人気だから、まぁ美空と会っても自然かなぁ。
「なんか本当にひかる…最近雰囲気変わったよね。」
「え…そう?」
「うん、急に。なんかひかるじゃないみたい。綺麗だけどね。」
手にとったロゼのような色の大きなペンダント。
前のあたしはこういうのはあんまり選ばなかった。
いつもなら小さくて華奢な作りのとか。
でも…
「結構好きだよ?今の自分。」
気づかせてくれたのが失恋っつ言うのも皮肉だけど、背伸びしたあたしも案外悪くない。
こういう大柄のペンダントも、今まで試さなかっただけ。
「そっかぁ、ひかるはうちらのオシャレ番長だからね!みんなも派手になるかも。笑」
「えー…。美空はこーいうイメージ。」