*お向かい彼氏*





手を繋いで帰路につき、一度別れる。




私服に着替えて光輝の部屋に行くため。





鍵をあけて家に入ると玄関に揃えられた靴があった。




…珍しい。




「…ただいま。」



「あら、おかえりー。」




リビングから返事をしたのは、あきな。



「アキ姉、何でいるの?」




大学3年生。21歳の姉。




「お母さんに用あったんだけどいないから待ってんのー。」




ふぅん…。


てか、いつもいないでしょ。



バリバリの医者のお母さん。




「お母さんいつ帰ってくるって?」



「わかんない。メールの返事返ってこないから…。」





めちゃくちゃ美人さんのアキ姉。



ソファに座り長い指でコーヒーをすする姿がとても絵になりますね。うん。




一人暮らしをして大学に通っている。





「お母さん、帰って来たら今日夕飯いらないって言っといてー。」




「え、食べてくるの?今日作ってあげようかと思ったのに。誰とよ、中学生のくせにー。」





「ん、彼氏~。」





着替えながら、にやける。


家族に彼氏とかいうの、なんか嬉しいっ!







「はぁぁぁぁあ゛!?ひかる…に、か、彼氏…っっ!?」












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