*お向かい彼氏*
「ちょ、光輝ごめん!あたし帰るっ!」
「は?なんで!?何て来てたの?」
…う゛。
用件わかんないにしろ、男の子……
後でにしよ!
急いでコートを着てスクバを持つ。
「夜連絡する!じゃあね!」
「…えっちょっと、俺も…」
「ごめんねっバイバイ!」
マジでごめん!
浅丘くん…なんだか待たせたらマズい気がするんだよーー!!
光輝は必死であたしを引き止めようとしてくれたけど…本当に無理っ。
玄関でローファーをはいているとパシッと腕を掴まれた。
「…なに?」
「だから、俺も…」
「後で電話するからっ。」
振り切って、ドアを開けた。
…あー、なんかマジでごめん!
エレベーターに乗りながら、心の中で焦っていた光輝の顔を思い返して謝った。