時を越えて~タラシ女子と新撰組~
『-――それでは、ご協力お願い申し上げます。無理を言って申し訳ありません』
「いえ、我々のためでもありますので、お気になさらないでください」
潜入する日時は、早いほうが良いと今晩と決まった。
最近、片華太夫を呼べと毎晩のように来ると楼主さんが言っていたので、今晩も来ると推測したからだ。
協力の要請が終ったあとは、楼主さんと世間話をしていた。
凄く大らかな人で、優しい近所のお爺さんみたいな雰囲気の人だ。
お茶を飲みながら話に花を咲かせていた。
部屋の外で、ニヤッと笑った女の存在にも気づかずに――――。