時を越えて~タラシ女子と新撰組~
『何かあったら叫んでくださいね、助けに行きますから』
南はスッとどこか不安げな雰囲気の片華の横へ移動し、声をかけた。
「ほんまどすか??せやったら、安心しておれます」
片華は安心したように小さな口元をほころばせ、笑った。
人の笑った顔、好きだな。
南は、片華の笑顔につられる様に笑みを浮かべた。
「片華太夫」
外から、禿であろう少女の声が聞こえた。「なんどすか??」と片華が答えると禿はおずおずと襖を少し開けた。