時を越えて~タラシ女子と新撰組~




沖田side




あーー、もう耐えられない。




沖田は、件の浪士達に囲まれフルフルと肩を震わせていた。





「沖藤【オキフジ】ちゃーーん、お酌してくれよ」





浪士は、沖田の腰を抱き自分のほうへ引き寄せる。





沖田の眉間にかすかに青筋が浮かぶが、酔っ払いばかりいるこの場で、気がつく者はいなかった。




沖藤とは、即興で片華が考えた名前だ。





「お客はん、この体制じゃお酌できまへん。……は、は離しとくれやす」





ピキピキと頬の筋肉が引き攣る。







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