時を越えて~タラシ女子と新撰組~
沖田たちの部屋から六つ先の部屋まで走ってきた南たちは、隠れるように息を潜めていた。
「お、沖田はんは大丈夫どすやろか??」ボソッ
『沖田さんは、新撰組で一、二を争うくらい強い人です。相手の人数は見た感じ五、六人。あの人が負けるはずありません』ボソッ
「南はんは、沖田はんの事。信頼しとるんどすな」ボソッ
『はい。意地悪なこと言ってきたりするけど凄い人だと尊敬はしてます』ボソッ
「片華太夫。人の心配するより、ご自分の心配せなあきまへんえ」
二人で話していた会話に、第三者の声が交わる。
南が声をするほうを見ると、襖を開けた先に一人の女が立っていた。