時を越えて~タラシ女子と新撰組~




「一件落着かな」




沖田の体が目の前から居なくなる。するとそこには緋鏡を止める様に、後ろから彼女を抱きしめる若い男の姿があった。




「え……」




「遅くなってすまねぇ……緋鏡」




驚きを隠せない緋鏡のか細い声。そして、怒りをあらわにする緋鏡を宥める様な優しい男の声。男の声を聞いた緋鏡は明らかに驚愕していた。




『え??あの男の人って』





そして、南も同じく驚愕していた。男の顔には見覚えがあったからだ。





南は手に持っている木刀に目をやった。





あの男の人、この木刀を作ってくれた庭師のおじさんに、一度だけ指示を仰ぎにきた優秀なお弟子さんだ!!





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