時を越えて~タラシ女子と新撰組~
「と、徳司さん??」
緋鏡の口唇が震える。歓喜と疑問がまじったあやふやな声色。
「ずっと、お前を身請けするための金を貯めてたんだ。やっと貯まった。緋鏡、いや鏡子俺のとこに来てくれねーか??俺が、お前を幸せにしてやる!!」
男の言葉が、緋鏡の涙を誘う。緋鏡は徳司に抱きつくと何度も何度も頷き涙を流した。
『よかった』
二人の姿を見つめ、南は安堵したようにため息を吐いた。
「南はん」
『片華さん、お怪我は??』
「いいえ、南はんが守ってくれたさかいに、掠り傷一つあらしまへん」
片華は、頬をピンク色に染めフワリと笑みをこぼした。