時を越えて~タラシ女子と新撰組~
「いやー俺らが帰ってる間に、大変だったな」
藤堂の存在は、あきらかに気まずい空気を緩和させた。
「お前も、よく頑張ったな!!俺、感激しちまった!!」
ニコニコと藤堂は、南の頭を撫でた。
『も、やめ……やめろ犬!!』
「犬!?!?」
二人で、ワアワアと騒ぐ。沖田はそんな二人の横を通り襖手をかけると、振り返った。
「平助君、僕気分悪いから先に帰るね。そこに伸びてる奴ら任せるよ」
「……お、おう」
沖田は藤堂の返事を待たずに、行ってしまった。これには、藤堂も驚きを隠せないらしく、ポカリと口を開けていた。