時を越えて~タラシ女子と新撰組~





「わかっとるんどす。無理だって……それでも……」




言わずにはいれなかったんどす。と片華は俯いた。





私が、女だと知ったら。片華さんは、どんな顔をするんだろう……。





必死に思いを伝えてくる片華の姿を見ると、申し訳ない気持ちがあふれ出した。





関係は壊れてしまう。今までのように笑いあえないかもしれない。それでも、今言わないければ、より彼女が傷ついてしまう。




ならいっそ、と南は口を開いた。





『ごめんなさい、貴女の気持ちに答える事は出来ません片華さん。俺、いや私は女なんです』




「え??」





驚いた片華が顔を上げる。南は心の苦痛に顔をゆがめていた。






< 271 / 384 >

この作品をシェア

pagetop