時を越えて~タラシ女子と新撰組~
片華の長く綺麗な指が、南の頬に触れる。
「南はん、うちを拒まんといて」
ビクリッと南の肩が揺れる。しかし、拒むなと言われただけで、体がびくともしない。
美しいものに魅了させるとは、こういう事なのか。
片華から視線をそらすことが出来ない。
彼女のいつもの花のような笑顔は何処かへ消えてしまっている。今の笑顔は妖艶でいて、蛇のようだ。
なら私は蛙なのか??ことわざとは意味が少し違うかもしれないけど……。
「南はん」
そういえば、沖田さんとまだ話せてなかった。沖田さん……。