時を越えて~タラシ女子と新撰組~
唇が重なるまで、あと数センチ。
片華さんにキスされたなんて言ったら、町中の男に命狙われそうだな。
もはや他人事のように考え始めた南。
もー焼くなり煮るなりしなさい。
男顔負けの吹っ切れ方をし、身をゆだねた。
「ん゛!!!!」
しかし待っていたのは、片華さんのくぐもった声だけだった。
『ん??なに……』
「何じゃないんだけど。君、彼女と接吻する気??いや……今は彼と呼ぶべきかな」
知った声が聞こえ視線を向ける。そこには、もがく片華の口元を手で押さえて、こちらを見詰める沖田の姿があった。