時を越えて~タラシ女子と新撰組~
二十:やっぱり君だけ
「南さん!!うちの店のお団子!!よかったら持っていってください!!!!」
「南さん!!亀和屋(キワヤ)の豆大福!!すごくおいしんよ!!もらってください」
「「「南様!!お勤めご苦労様です!!」」」
巡察に出た南率いる十一番組の足先を阻むのは、長州の過激派浪士や不貞浪士ではなく、可愛く着飾った町娘たちだった。
ポンポンと手渡しされる甘味の山に埋れそうになる。が笑顔を保つ。
『ありがとう、美味しく頂くよ。君たち、危ない人も多いご時世だからね日が暮れる前にもう、お帰り』
ここで邪魔だなんていっては可哀想だし。と、優しく帰るようにと促す。
「危なければ、南様が助けてくださるんでしょう??」
「そうですよ!!そんなときのために新撰組がいるのでしょう??」
しかし、町娘たちは一向に帰る気配が無い。