時を越えて~タラシ女子と新撰組~
斎藤は知らない間に姿をくらませていた。
『原田さん??』
固まる原田に、南は首をかしげる。顔の前で手をヒラヒラさせるが応答が無い。
何があったの原田さん。
「南ちゃん、近藤さんから甘味貰ったんだ。一緒に食べようよ」
『え??でも、はら、グエッ!!ひ、引きずらないでください』
固まる原田を気にする南は、沖田によって強制的に連れ去られた。
残された原田は誰もいなくなり、やっと動き始めた。
「本当、殺されるかと思った」
ゲッソリと、空を仰ぐ原田は手紙のことはもう誰にも話さない様にしようと、心に決めた。