時を越えて~タラシ女子と新撰組~
『沖田さんから、土方さんに気を使う言葉が聞けるなんて。明日は槍か??』
「なにそれ、槍なんて降らないよ」
ムッとする沖田。南は、冗談ですと素振りを再開した。
「土方さんには、長生きしてもらいたいからね。新撰組を支えてる人の一人である事に違いはないし」
「そうか。なら、俺の胃の事を労わって、例のブツを返しやがれ」
ゴゴゴゴゴッと効果音の着きそうなほど恐ろしい雰囲気と顔をした土方が、沖田の背後に立つ。
沖田はそんな事気にもしないで、ニッコリと笑顔を浮かべた。
「梅の花ー一輪咲いても、梅は梅」
そして一句読み上げると、沖田は目にも留まらない速さでその場から立ち去った。