時を越えて~タラシ女子と新撰組~
二十二:不穏な空気と夢
真っ暗な暗闇の中。突然、男たちの叫び声が聞こえた。
「うわぁっ!!!!」
――ザシュッ
刀は、銀色に輝き赤い華を作り上げた。
「立花君!!!!総司が二階にいるんだ!!!!」
『はいッ!!!!』
名前を呼ばれ、ハッとすると近藤が、鍔迫り合いになりながら叫んでいた。考えるよりも先に、体が飛び出す。
自分の体ではない。そんな気分だ。
ダダダッと階段を駆け上る。心臓が嫌な音を立てる。行きたくない、この先。そう考えても足は止まらない。