時を越えて~タラシ女子と新撰組~




南の目の前に、男が現れる。男は、南を見下ろしニヤリと笑った。




「ッ!!!!組長!!」




菊池君の声が、やけに遠く聞こえる。




「悪いな、恨むんだったら新撰組を恨みな」




ヒュンッと振り下ろされる刀が、スローモーションの様に感じた。




あ、死ぬんだ。今の状況をとすんなり受け入れてしまいそうになる。




まだ、沖田さんに返事してないなのに。沖田さんに怒られそうだな。




――――キンッ!!!!




「君、死ぬ覚悟できてるよね??」




『お、きたさん??』




フワリとする意識の中で、沖田さんの声と刀を弾く音が聞こえた。




それに安心感を覚えた南は、スッと意識を失った。




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