時を越えて~タラシ女子と新撰組~
二十三:熱と悪夢の恐怖
『……ん……』
体が、まったく動かない。糸の切れた操り人形の様にピクリとも動かない。ただただ、体にだるみを感じていた。
「南ちゃん??」
名前を呼ばれ、重い瞼をゆっくりと開けた。
目を開けると顔を覗き込む沖田と、目が合った。
「よかった」
目を開けたことに、沖田は安堵したようにため息を吐いた。
『お゛…だ………ん??』
沖田の名を呼ぼうと、声をだすがヒューヒューという息の音と微かな声しか出ない。
微かな声も聞いていて痛々しく感じるぐらいのガラガラ声だった。